エヴァ・ローゼンスタンド物語
またクララの作品は、 レトロ可愛らしさのある どちらかというと押し花のような 平面的なボタニカル植物や虫、 鳥などだったのですが、 クララが1930年にその生涯を閉じると 次のオーナーJacob Holst がブランドを継承しました。 このオーナーファミリーは、 クララの作品とは全く異るけれども、 今の
こちらも、 その当時からエヴァのカタログで大変人気のあった 図案に生地と刺繍糸と針をセットする レディメイドキットは、 1970年代にはもう世界的なトレンドとなっていまして、 前出のようなニューヨークのご婦人などが、 国際郵便でカタログオーダーをしていた時代がありました。 その頃というのは、 今のエヴァのキットに使われている刺繍糸とは、 風合いや色が全然違っていました… 刺繍糸がエヴァのオリジナルだったということです。 草木染めの穏やかな色でした。 この糸の時代のエヴァキットを ファンはオールドエヴァというのですが、 貴重品として、 古くからのエヴァファンは、 オールドエヴァの時代 とか、 オールドエヴァは糸が違いましたものね… と 懐かしんだりしています。 それは、 Eva Rosenstand / Clara Wæverが、 2003年にCarl J. Permin A/S の傘下に入ったからで、 その頃には今のDMCの刺繍糸になっていまして、 それも大変美しい糸ですが、 古くからのエヴァファンは「オールドエヴァ」 と呼んで、 その昔の糸の風合いと色使いを懐かしんでいます。 そんなオールドエヴァのキットが、 銀座三越に届いています。 各10点あります。 貴重です! 1番 これらは、私が大変尊敬する 「刺繍の生き字引き」Kさん が刺した刺繍作品なのですが、 これを銀座三越に飾らせていただいています。 約150年前からあるのにもかかわらず、 今でも大変人気があります。 そればかりか、 世界には1660年の刺繍図案も見つかっていますから、 刺繍の歴史の古さを認めます。 フランスのエルメスは創業が1837年(181年)。 クララが最初に勤めた刺繍店の創業は1870年(148年)。 エヴァとしては、今年が創業60周年。 歴史あるブランドとして考えると、 それほどエヴァの刺繍というのは、 私達を離さず、 時代を経て、先輩から後輩へ、 母から娘へと引き継がれている至宝の煌めきを 持っているのだと思います。 |
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デンマークの刺繍の歴史
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