ニュースに茫然とした方も多いはずの私たち世代…。
成功して華やかに幸せを謳歌していたとばかり思っていたデザイナーさんが、
不慮の逝去。
横浜に行く用事があって…
帰りに久しぶりに港のベンチに座って考えました。
一人ではありませんでしたけど…
繊細な心の持ち主だったからこその
そのような最期だったのかなとか、
だけど、
防げたかも知れないのに、
裕福だったからこそ
家が何軒もあって、
もし別居する家さえなかったら
どうしても家族で暮らしたりしなきゃいけなくて。
裕福だったからこそ、
近くに誰も居なかったのかなとか、
後になると、
まわりは悔しかったでしょうと
色々なことを考えてしまいました。
私も1/10000くらいのことだったけれど、
ブランドを手放さざるを得ない経験があって…
それは全然、
自分のせいではないことで、
巨大な岩山を前に
(ゼロからスタートした)
ちっぽけな自分が
為すすべもないほどに大きくなってしまったブランドを、
自分だけの力ではどうにも
これ以上無理…
になったときに、
さらに巨大な岩山に飲み込まれる…
みたいな、ね。
私くらい程度でも、
当時は毎月 スタッフ全員のお給料が
3000万円でしたから…
毎月、
来月それが払えなかったらどうしようって。
どれだけだったのだろう、
そのプレッシャー。
目の前に積まれた
ブランド譲渡のための山のような書類に
一つ一つ対峙していき、
私はデザインがしたいのに…
こんなことするために時間を使って…
な、
気持ちになっただろうなとか
きっと、
そういうことから心が疲れたのかなとか。
詮索してはいけないですが、
大好きで時々、
ウィンドウから眺めていましたから
同世代として
辛い気持ちになりました。
私でさえ、
「ミリさん、電車とか乗るのですか。」
って聞かれますが、
私は渡辺謙さんが銀座線に乗っていらしたのを
見たことがあります。
みんな人間なんです。
いつも、
色々なことにチャレンジしまくりの私の人生も
ジェットコースター人生なんですけれど、
誰に助けられているかというと
ここに集まるファンの皆様や
南麻布の洋館にほんとうに来てくださった生徒さんや
同級生や…
スタッフ全員や、
家族や…
私もそんな思いやりをもたないと
と、
わかっているのに、
お孫さんが生まれた人に
お祝いに行ける時間もなくて…
情けない。。
だけど、
多少「そんな」立場になると
お声かけてくださる人も多いから、
全部にお答えができない。
だけど、本当に皆んなありがとう なんです。
いつも、すごく怖くて…
もし来年のクラスにお申込みが少なかったら
どうしよう…
とか、
もし、銀座三越や新宿伊勢丹のイベントに
あんまりどなたも来てくださらなかったら
どうしよう…
とか。
いつ、やめたらいいのか。
とか…
だけど、一方で
来すぎちゃったら、どうしよう(爆)
っていう私がいます。
どうしよう、どうしよう…
と
いつも不安があります。
有名な方のメッセージは
私たち全員へのメッセージですね。
それを重く受け止めていかなければいけません。
ケイト・スペードさん、
どうぞ安らかに…。
そして天国から精一杯の愛をお嬢様に送ってくださいとお祈り申し上げ、
切ない気持ちでお見送りしなければならない
このブランド世界に、
何か警鐘が鳴らされたように思っています。